DNAアニーリング活性を介した分裂期、間期におけるコンデンシンヒンジの一本鎖DNA結合タンパク質RPAに拮抗した役割についての研究

沖縄科学技術大学院大学(ジョナサン・ドーファン学長)のG0細胞ユニットの赤井祐子技術員、柳田充弘教授らのグループは、コンデンシンタンパク質複合体が染色体上の不要な結合物を除去することで、分裂期染色体凝縮ひいては染色体分配段階に寄与していることを発見しました。


<研究の背景と経緯>

 全ての細胞は、遺伝情報を司るDNAを正確に複製し、分裂する事で増殖を繰り返します。複製された姉妹染色分体が分離し、染色体DNAが正確に2つの娘細胞に分配される時期は分裂期と呼ばれていますが、この時期に染色体は凝縮し、コンパクトで堅さを持った棒状の凝縮染色分体となります。この染色体凝縮は正確な染色体分配の為に必須の過程で、コンデンシンと呼ばれるタンパク質複合体が中心的な役割を果たすことは知られていますが、その分子的メカニズムについては未だ分かっていないことが多く残されております。

<これまでの研究・今回の研究内容>

これまでにコンデンシンタンンパク質複合体は、染色体凝縮において、間期から分裂期にかけて長大なDNAをパッキングする役割を担うと考えられてきました。今回我々は、コンデンシンタンパク質が、そのDNAアニーリング活性を利用して染色体上の不要な結合物を除去する事を発見し、その除去過程に欠損があると正確な染色体分配が起こらない事を示しました。この除去過程はDNA修復の完了や分裂期染色体分配段階に寄与していると考えられます。


<今回の研究成果のインパクト・今後の展開>

これまでのパッキングという概念とは異なり、染色体凝縮・分配とは、コンデンシンがDNAアニーリング活性を利用して染色体上の不要な結合物を除去していく過程が本質だと考えられます。今後コンデンシンの分子活性をさらに解析する事で、この分裂期の中心的なイベントである染色体凝縮のメカニズムが解明される事を期待します。
本研究成果は、2011年12月14日発行の英国の科学雑誌Open Biologyに掲載されています。
細胞分裂時の染色体凝縮メカニズムの一端が明らかに [YouTube]




Last modified: 2011.12.18   HP-top_page (Ver.Japanese)   HP-Top (Ver.English)   This_page_upper